
日本考古学協会会員西川 寿勝
講座説明
ヤマト王権の王宮を探る ―古代史入門講座―
発掘成果をもとに、三世紀から七世紀のヤマト王権の王宮の謎にいどみます。古墳時代の大王や豪族の拠点研究がテーマです。
考古学研究と『日本書紀』・『古事記』研究との整合、背反から古代史の論争を解説します。
講座はスライドショーが中心です。写真や図面を多用し、初級レベルの解説をめざします。
各回、それぞれ独立した内容です。
持参いただくテキストなどは特にありません。
2025年4月~9月カリキュラム ※6月は第4週ではなく、3週の6月15日(日)ですのでご注意ください
第1回 4月27日(日) 10:30~12:00
「総論 古代天皇の宮はなぜ発掘されない?」
『古事記』『日本書紀』は、大半の天皇の宮を記し、宮の名は地名に由来することから、その候補地が明瞭です。
ところが、古い天皇の宮は発掘調査でほとんど痕跡をつかめません。
対して、推古天皇以降の飛鳥・奈良時代の宮はほぼ発掘調査で宮殿の遺構が見つかっています。古代の天皇の宮の研究の基礎講座です。
第2回 5月25日(日) 10:30~12:00
「マキムク遺跡大型建物は卑弥呼の王宮?」
2009年、邪馬台国の有力候補地とされる奈良県マキムク遺跡で、三世紀前半の大型建物が発見されました。
『魏志』倭人伝にある「女王卑弥呼の王室」と注目されます。
その翌年、大型建物跡の南で多数のモモの種をふくむ祭祀(さいし)遺物が見つかりました。大型建物と祭りの実態は? 邪馬台国近畿説からみた卑弥呼と古代天皇家の連続性を検討します。
第3回 6月15日(第3日曜) 10:30~12:00 ※6月は第4週ではなく、3週の6月15日(日)ですのでご注意ください
「5世紀王権の拠点は大和か? 河内か?」
応神天皇の宮(大隅宮・軽明宮)は大阪市大隅神社付近や、橿原市大軽町周辺に推定されますが、実態は不明瞭です。
五世紀のカワチに拠点があったとする河内王朝論と、ヤマトが中心だったとするヤマト王権論が議論されてきました。
応神天皇の即位と神武東征伝承の関係を検討します。
第4回 7月27日(日) 10:30~12:00
「継体天皇、大和入り20年の謎」
六世紀初頭、近江(あるいは越)にいたヲホド王が擁立され、カワチの樟葉で継体天皇として即位します。
ところが、継体天皇は宮を転々とし、ヤマトに入るのは20年後でした。
継体天皇即位に対する反対勢力諸説を紹介し、六世紀前半の近畿の状況を発掘成果から読み解きます。
第5回 8月24日(日) 10:30~12:00
「孝徳天皇の難波宮と大化改新の真実」
645年、蘇我氏本宗家が滅亡すると、飛鳥から難波に宮が移されました。
孝徳天皇は「大化改新」をこの宮で挙行します。
『日本書紀』は宮殿の様子が言葉に表せないほど立派だと記しますが、「大化改新」虚構説とともに、難波宮の真の姿が論争となっています。
第6回 9月28日(日) 10:30~12:00
「飛鳥・奈良時代の苑池(えんち)と楽園の思想」
王の理想とする王宮とは何か?
中国や半島から王宮の理想のどの部分が伝わり、どの部分が伝わらなかったのか検討します。
飛鳥古宮~平安宮を概観、古代の天皇像とその都市計画にせまります。飛鳥で発見される庭園遺構とは何か。
最新の発掘成果から古代の王宮の性格を推理します。
- 講座タイプ
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常設講座
- 初回講座日
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2025年04月27日
- コース
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第4日曜10:30~12:00
- 受講料
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6カ月6回
16,500円
- 受講のしかた
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大阪
電話でのお問い合わせは06-6346-8700へ